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「平場の月」──静かな場所でそっと読みたくなる、大人の恋の物語

朝倉かすみさんの「平場の月」(光文社)は、派手な事件や劇的な展開よりも、“普通の日常”の揺らぎを静かに描いた作品です。 50代の男女の再会から始まる恋が、こんなにも胸の奥に温度を残すのかと、あらすじを追いながら思わず息が止まるようでした。 特別ではない日々の中で芽生えるもの 主人公の青砥健将と、同級生だった須藤葉子。 若さでも勢いでもなく、過去の傷や孤独を抱えたまま再び出会った二…

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「GOAT 2025 Summer」──日常の隙間に、少しだけ“悪”の香りを

書店で目に留まった一冊、GOAT 2025 Summer。 ムックとしてはめずらしく、“悪”という鋭いテーマを掲げた特集が組まれていて、その言葉の強さに思わず手が伸びました。けれど、ページを開くとその印象は少しやわらぎ、どこか静かで深い読み心地が広がっていきます。 軽さと重さが同居するムック 価格は510円と手頃なのに、内容はとても濃密です。 短編小説やエッセイ、鼎談に詩まで、ジ…

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「ザ・ロイヤルファミリー」──静かな野心と、人生の転換点

2025年秋、TBS系で放送が始まったドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」。 主演の妻夫木聡さんが演じるのは、税理士を目指していた主人公・栗栖英司。平穏な人生を望んでいたはずの彼が、ある出会いをきっかけに“競馬”というまったく別の世界へと足を踏み入れていく物語です。 日常と非日常が交わる場所 舞台は、馬主や相続、そして財産をめぐる人間模様。 一見遠い世界のようでいて、実は“誰かの人生…

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命の燃やし方 ── 迷いの中で、もう一度立ち上がる力を

日々の中で、なんとなく立ち止まってしまう瞬間があります。 やりたいことが見えなくなったとき、目の前のことに心が追いつかないとき。そんなときに手に取りたくなるのが、鈴木大飛さん(やまと)による『命の燃やし方』(講談社)です。 “命を燃やす”という言葉の温度 本書は、著者が27年間で掴んだ「生きるためのマインドセット」を47のエピソードとしてまとめた一冊です。 タイトルだけを見ると激…

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さよならジャバウォック――“変わってしまった人”の正体をめぐる物語

伊坂幸太郎さんの最新作『さよならジャバウォック』(双葉社)は、結婚、妊娠、転勤――人生の大きな節目を迎えた女性の前に、ある日突然“別人のようになった夫”が現れるところから始まります。 25周年を迎えた伊坂さんが書き下ろした長編ミステリーでありながら、どこか現実の生活に潜む「変化」や「違和感」を映しているような物語です。 静かな異変のはじまり 主人公・量子は新婚の女性。 けれど、転勤先…

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